腰部椎間板ヘルニアを伴う慢性腰痛から急性腰痛の発生
1.患者情報
30歳(男性) 病名:-
2.主訴
昨年の秋頃に脚への痺れと殿部の痛みがひどく、整形外科を受診した。MRIで椎間板ヘニアの診断を受けた。しかし、その後改善はなく、整骨院(他院)の治療を受け少し調子が上がったと思ったら、1週間前から腰痛が悪化し、鍼灸治療も受けたが改善しない。
3.観察・検査結果
痛みは腰部から骨盤にかけて広範囲に出現。ピンポイントで示すことが出来なかった。逃避姿勢が著明に現れ、動くのがとても辛そうな状態で来院。骨盤は右へ胸郭は左へスウィングした逃避姿勢であった。腰椎はL3/L4/L5で右凸の急なカーブを呈していた。痛みのため体幹の前屈はできない。下肢への痺れはない。
4.評価・分析・解釈
ヘルニアの存在により、上手く動けなくなっている腰部に、何らかの負担がかかったと考えられた。ヘルニアがあるにも拘わらず、調子が良いと加減無く動かしてしまう。特に、受傷してから期間があまりたっていないと、症状が楽になっている場合でも、組織が安定しておらず、損傷しやすい。
5.治療or 施術内容
初日の施術では、逃避姿勢により崩したバランスを回復させるように、骨盤・胸腰移行部・胸椎の歪みを改善させた。マッケンジーテクニックを下部腰椎に施した。翌日に2回目の施術を行った。逃避姿勢は殆ど消失していた。骨盤と頚椎をメインとして施術を行った。
6.予後・治療計画or 施術計画
来院するまでは悪化の状況を呈していた腰痛に歯止めがかかり、回復へ転じた。順調に回復軌道へ乗ったと観察された。日にちを徐々に開け、施術を継続する。