朝が最も辛い首の重さと肩の痛み
1.患者情報
50歳(女性) 病名:-
2.症状
半年前からある、原因不明の頚部の重さと右肩上面にある痛みで来院した。2ヶ月前に整形外科で強い肩こりと言われ、鎮痛剤を処方されたが効かなかった。歯科医には噛合わせのせいと言われた。朝が最も辛く症状は悪化してきている。
3.姿勢・動作の観察
頚椎~上部胸椎及び肩にかけて筋緊張が強く出ていた。首を真っすぐに立てた姿勢をしていた。上部胸椎は後方へ出ているようにみえた。頚椎と上部胸椎は後ろから押したときの「しなり」に強く抵抗が感じられた。頚部の自動運動では、右側屈と伸展と右回旋で可動域が減少していた。頚部の緊張は仰臥位でも発生していた。また、肩の上部(棘上筋)の筋線維にロープ様のすじばった感触があり、症状部位と一致していた。
4.触診検査
頚椎の機能的障害が構造的に不自然な位置に頚椎を固定してしまい、頚部の筋緊張を持続的に誘発し、首の重さを招いていると思われた。また、肩上部の痛みは、棘上筋の運動に関連しており、筋繊維の一部にトリガーポイントが形成されていた。
5.治療
頚椎と上部胸椎の可動性を回復し、右棘上筋のトリガーポイントにアプローチした。
6.予後:治療計画
3回の施術で頚部の重さは1/3程度に減少した。その後、カイロの施術の間に鍼治療を1回加えたところ、4回目カイロで頚部の重さ及び右肩上面の痛みは消失するに至った。状態の安定をみながら、メンテナンスを行っている。