右の顎関節症と股関節の痛み
1.患者情報
20歳(女性) 病名:-
2.主訴
2~3年前から口をあけると右顎の骨が「ゴリゴリ」音が鳴るようになり、ここ半月あたりは指一本分ぐらいしか口が開かない。先週、歯医者に行ったら顎関節症と診断された。顎関節症のせいか、右の股関節も痛い。痛みは脚を着いたりすると痛む。
3.姿勢検査結果
顔面の骨格を確認すると左の目尻が下がり、口角が上がり、ちょうど左顔が潰れたようになり、右顔が間延びしたような顔貌を呈している。明らかに左側を主にして咬んでいる兆候です。恐らく左側の片咬みを行っている可能性が高い。
4.動的検査結果
開口時に右顎が大きく外側かつ前方に飛び出し最終段階で左にスライドする。開口時初期段階に下顎が右にずれるとき一度音が鳴り、最終段階で左にずれる時にもう一度音が鳴る。最初の音は下顎が動き出すときに下顎と関節円板の間で摩擦が起きて鳴り、二度目の音は関節円板が元に戻るときになるものだと思われる。右股関節を外転してもらうと痛みを訴える。しかし、他動的に外転させると痛みはない。
5.治療or 施術内容
内側翼突筋、咬筋、側頭筋、後頭下筋、顎二腹筋、肩甲舌骨筋の停止部をほぐしてから、下顎骨の右外側変異、右側頭骨と蝶形骨の屈曲変異と舌骨の左側方変異を徒手で矯正した。
6.予後・治療計画or 施術計画
顎関節への施術終了後、歩いていただくと股関節の痛みは消えていた。口を開けていただくと指一本分しか開かなかったものが3本分あくようになり、開口時の音もやんでいた。あらゆる状態で咀嚼運動をしてもらったが特に異常や違和感、痛みはなかった。本日の治療はこれで終了し、現在も定期的に治療を受けて頂いている。